令和6年度 学校教育ビジョンについて
1 学校教育ビジョン策定について
朝日町は、一小一中の小さな町ながら歴史ある町で、古くは弥生時代まで遡ります。その後様々な歴史を経て、明治21年には「朝日村」に、昭和29年には「朝日町」となりました。近年の町の丘陵部の住宅開発により町の人口は急速に増加し、平成25年には人口10,000人を初めて突破し、翌年には朝日小学校の児童数は1,000人を突破しました。平成27年に児童数のピークを迎え、今では、徐々に減少しており、令和6年度は、695人の児童で新学期をスタートしています。
社会の在り方が劇的に変わる「Society5.0時代」の到来、「予測困難な時代」などと言われ、急激に変化する時代の中では、「一人一人の児童生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが必要」だと言われています。(令和3年1月中教審答申「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子どもたちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現)
朝日町の子どもたちは、地域から「町の子どもたち」として大切にされ、落ち着いた環境のもとで生活を送っています。そのため、基礎学力が高く、正しく行動しようとする姿が多くみられます。一方で、「自ら進んで行動する力」や「自ら課題を見つけ解決する力」、「自分の考えや思いを伝える力」が弱い面が見られます。
そこで、自ら主体的に行動し、自分の考えを論理的に伝える力をつけるとともに、自己肯定感を高めていくために、充実した学校教育活動を行っていく必要があります。子どもたちには、友だちや社会とのかかわりの中で、様々な経験を積み、豊かな人間力をもてるよう成長していってほしいと願っています。
以上のことから、今年度、学校教育目標を見直し、5つの重点取り組み事項を設定し、「めざす子どもの姿」「めざす学校の姿」「めざす教職員の姿」の実現を通して、学校教育目標の達成に、職員一同、心ひとつにして取り組んでいきます。
2 学校教育ビジョンのめざすところ
朝日町教育基本方針
「人権を基底とした教育を志向し、親和性のある人間性豊かな教育をめざす」
朝日町のめざす子どもの姿
「たくましく、伸びゆく朝日の子」
学校教育目標
自ら未来を切り拓くことができる力をもつ児童の育成 ~豊かな人間力を育む~
3 重点取り組み事項と具体的な方策
重点1 確かな学力の育成と定着
・確かな学力を身につける主体的・対話的で深い学びの実現のために、更なる授業改善に取り組みます。
・基礎的・基本的な学力の定着を図るため、朝学習や家庭学習などで、振り返りの学習を進めます。
・家庭学習の手引きをもとに家庭との連携を図り、助言や支援を行うことで、子どもたちの学ぶ意欲を高めます。
・専科教師とALTが連携し外国語に慣れ親しませる活動を進めることで、英語が好きになり、英語によるコミュニケーション能力を高める外国語および外国語活動の充実を図ります。
・ICTを効果的に活用した情報活用能力の育成を推進することで、子どもたちの主体的・対話的な学びや学力向上を図ります。
・学級文庫の充実やライブラリー、地域ボランティアとの連携強化、読書週間での取組などを通して、言語活動能力を高める読書活動の充実を図ります。
・算数科を中心に、習熟度別指導を中心とした個々に応じた少人数指導を進めます。
・担任と理科支援員が協同的に学習を進め、科学的思考を高める理科教育の充実を図ります。
・相談支援ファイル「きらきら」を活用し、家庭との連携を図りながら、個に応じたきめ細やかな特別支援教育の充実を進め、児童の実態に応じた適切な指導や支援を行います。
・途切れのない支援をめざし、保幼小および小中の連携をしっかりと行います。
重点2 心の教育の推進
・さまざまな人権課題の学習やなかまづくりを通して、一人ひとりが大切にされ差別を許さない心を育てる人権教育を推進します。
・「考え議論する道徳」の学習を通して、ルールやモラルを大切にした規範意識を育てるとともに、学校のきまりを守り、社会性を身につける生徒指導の充実に努めます。
・「いじめの問題に関する児童の実態にかかるアンケート」を年3回実施し、いじめの実態把握に努めるとともに、いじめや暴力を許さない学級づくりに努めます。
・委員会活動やなかよし学年行事などを通して、奉仕の精神を育てるための特別活動の充実を図ります。
・キャリアパスポートを活用し、働くことの尊さを養うキャリア教育を進めます。
・不登校児童に寄り添った支援の充実と、各種相談機関との連携を図り、相談体制の確立に取り組みます。
・地域との連携を心掛け、郷土の文化や伝統を大切にする態度の育成をめざします。
重点3 健康安全教育の推進
・体育科学習の充実に向けて、各学年で系統立てた授業の計画を立て、運動量を確保することで、子どもたちの体力の向上に努めます。
・新体力テスト(一部種目)を全校で実施し、継続した児童の体力の実態把握に努めることで、体力向上の取り組みに活かしていきます。
・健康・安全意識を高めるための保健学習・健康相談の充実を図ります。
・栄養教諭が中心となり、日々の給食メニューを「生きた教材」として、食についての正しい知識を学び、健全な食生活を実践する態度を育てます。
・子どもたちの登下校の安全を守るための登下校指導の充実に努めます。
・定期的な避難訓練を通して防災意識を高め、災害時等に自身で考えて避難するなど命を守るための行動力・実践力を育てます。
・日常生活の中で経験するヒヤリとする場面から、どのように行動すればよいか考えることで、リスクマネジメント能力を高めます。
重点4 保護者・地域に信頼される学校づくり
・地域や行政機関と連携し、子どもたちの命を守るための防災・安全教育の推進を行います。
・学校だよりの定期的な発行や学校ホームページの充実など、積極的な情報発信と学校・保護者・地域が三位一体となった情報交換体制づくりに努めます。
・授業参観や学校行事、学年行事などに保護者や地域の方々に参観、参加していただくなど学校公開の充実を図ります。
・学校運営協議会を年3回実施し、学校評議員による適正な学校関係者評価の実施に努めます。
・「学校づくりアンケート」(3年生以上の児童と全保護者)を実施し、結果を踏まえた学校自己評価を行い、以降の学校経営に活かしていきます。
・保護者や地域人材を活かし、各学年の地域とのふれあい活動を実施することで、地域を大切にする心を育てます。
・保幼小中の連携を深め、それぞれの教職員が共に学びあう授業研修会や講演会を実施していくことで、途切れのない教育活動の充実を図ります。
重点5 教職員の資質・能力の向上と働き方改革の実施
・教職員一人ひとりの資質向上をめざした校内研修体制を確立し、主体的・対話的で深い学びの実現に向け、授業力向上に努めます。
・教職員育成支援のための人事評価制度を活用し、魅力ある教職員となるための資質向上に努めます。
・町教職員研修会など各種研修会に積極的に参加し、学びあい高めあう教職員集団づくりをめざします。
・教職員自身の人権感覚を磨き、子ども理解を深めながらなかまづくりに取り組むとともに、差別やいじめを見抜く力を養うよう努めます。
・特別支援教育についての研修を通して、適切な指導や個に応じた支援を行う資質・能力を高めるよう努めます。
・保護者や地域から信頼される教職員であるために、社会規範を遵守し、コンプライアンス意識の向上に努めます。
・適正な勤務体制や労働環境を整備し、教職員の心身の健康を守ることにより、効果的な教育活動が実施できるよう努めます。
・定時退校日の設定や積極的な休暇の取得などにより、教職員の勤務の上限に関するガイドラインの遵守に努め、教職員がゆとりをもって児童に接することができる環境を整えます。